My GPTsの活用例:アンケート設計→仮説構築→仮説検証までを実行するGPTを作成

株式会社cross-Xの古嶋です。DX戦略の立案やデータ・AI活用の支援をしています。

今回は、11月6日にOpenAIからリリースされたMy GPTsの活用方法について、作成例を1つご紹介します。こういった技術や用例は瞬く間に陳腐化していく昨今ですが、考察として面白いのでご紹介です。

ChatGPTの有料アカウントを持っていれば、以下の管理画面から独自のGPTを作成することが可能です。画面が2分割されているうち、左側のGPT Builderにプロンプトを入力することで、ノーコードで生成AIを作れてしまうという驚愕の仕様となっています。

ここで、左下のボックスに以下のようなプロンプトを入力して実行します。

アンケート調査を作成するGPTを作りたい。必要な機能は以下。

  • 指定されたサービス名についてのアンケート調査を作成する。
  • 設問数は5個、各設問での選択肢は10個
  • 作成されたアンケートを実施したらどのような結果となるか、事前に考察して仮説を立てる
  • 仮説の妥当性をブラウジング機能を用いて検証する
  • 競合サービスと比較分析できるような設問を必ず含める
  • サービスに対してユーザーが持ちうるKBFに関する設問を必ず含める。
  • 出力はすべて日本語で行う

これだけで作成完了です。Survey Senseiという名前が付けられました。

このSurvey Senseiを早速使ってみましょう。

試しに、iPhone15のアンケート調査を作成してもらいましょう。すると、「iPhone15」と入力するだけで、以下のようなアンケート案を作成しました。

アンケート調査が作成されたので、「もしこの調査を実際に行ったらどのような回答結果になるか?」について、Survey Senseiに考えてもらいましょう。ここでも、長々とプロンプトを打ち込まなくても、「仮説」と入力するだけで以下のような出力が生成されました。

では、この仮説の内容が妥当かどうか、Webリサーチで検証してもらいましょう。最近はChatGPTの出力が英語になることがしばしばありますが、この点は「日本語で出力」と記入するだけで解消します。

リサーチ内容を踏まえて、仮説が妥当だったかどうかSurvey Senseiに自己評価してもらいましょう。

このように、Survey Senseiを利用すればアンケート調査を作成するだけでなく、その調査結果に対する仮説構築、さらにはその仮説の妥当性までをWebリサーチによって検証してしまいます。つまり、アンケートを実施しなくても、自律的にユーザーのニーズを検証してしまうということです。当然、最初のプロンプトをiPhone15以外の商品/サービスにすれば、同様の検証を自律的に進めてくれます。

My GPTsの活用パターンについて現在複数の企業様と検証を進めていますが、毎回必ずと言って良いほど新たな発見があります。その場に参加する方々の創造性や実務で直面している課題に応じて、出てくるアイデアや生み出されるGPTが玉虫色のように変わるというのが率直な感想です。

当然ながら、扱うデータには細心の注意を払うため、公開情報のみに絞った情報活用ですが、それでも十分実務に貢献するAIが作成できている感触があります。

弊社では毎日のようにMy GPTsを新たに開発して実務で活用していますが、従来のChatGPTではもう一歩届かなかった出力品質を超えてきた気がします。ただし、対話を続けているとnetwork errorが表示されてしまったり、出力までに数分の時間を要するなどの問題が現時点だと発生しがちですが、このあたりが改善されるのは時間の問題でしょう。

さらに言えば、近い将来「プロンプトを長々と書く」ということ自体が陳腐化する気がします。My GPTsは、長々とプロンプトを書かなくても、特定のキーワードを入力するだけでその意図を汲み取り、タスクを次々と実行します。これは一見地味なようですが、さらなる革新を生み出すのではないかという気がしてなりません。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。皆さまの実務において、何かしらのヒントになれば幸いです。

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