ダイヤモンド・オンラインで「DXの進化」連載開始しました
cross-Xの古嶋です。DX戦略立案・推進やデータ・AI活用の支援をしています。
2022年12月23日より、ダイヤモンド・オンライン様にて連載を寄稿します。
本連載のテーマは、戦略と技術を結びつける「DXの実務」について、戦略的考察から技術実装に至るまで、概論レベルを網羅的に解説することです。
尚、内容は拙著『DXの実務-戦略と技術をつなぐノウハウと企画から実装までのロードマップ』(英治出版、2022年)をベースとしており、DXの実務を推進する上でのノウハウやアプローチを整理しています。
さて、DXの主眼はデータ活用ですが、その実現に向けた企業活動は増加の一途にもかかわらず、その方法論や実装については、現在も外部ベンダーや専門家に依存している傾向が未だに強いように見受けられます。
なぜ、主体的なデータ活用が進みづらいのか。
例えば、データ活用の心臓部とも言える「データ基盤」に着目して概観していこうと思います。
そもそもデータ活用の推進には、データ基盤という一種のITシステムが必須でしょう。
そのデータ基盤に収集されるデータは、EXCELなどで手入力されたデータというよりも、Webやスマホアプリ、IoTなどから随時収集されるデータが想定されています。
こういったデータを集めるには、WebアプリやITシステムなどの「データの発生起点」も開発し、データ基盤に連携することが必須です。
すると、開発範囲が広がるだけでなく、当然ながらシステム開発に関与する関係者も増大します。
例えば、Webアプリケーションであれば、フロントエンドエンジニア、バックエンドエンジニア、UIデザイナー、SREなど多くの開発者が関わります。
また、システムは全体が整合性を持ってはじめて狙い通りの効果を発揮するため、どこかで不具合が生じたらたちまち全体に影響します。
例えば、Webアプリケーションの改修の際にフロントエンド側での修正によってログデータの形式が若干変更された際、それがデータ基盤担当に伝わってなければ、データ処理のプロセスが正常に動作せずエラーなどが発生するでしょう。
こういった改修の際、当然ながら影響範囲を調査したり、その有効性をビジネス視点で評価するなどが求められますが、変化への柔軟性が求められる昨今では常にスピーディな開発が求められています。
にもかかわらず、そういった柔軟かつスピーディなデータ基盤強化を外部に依存していては、期待するスピードや品質を実現することは到底難しいでしょう。
とある企業を支援した際、データ基盤を外部ベンダーに依存している結果、必要なデータをリクエストして「取得」するためだけに1週間を要していました。
もちろん、そのデータを取得した段階では未加工の状態なので、そこからやっと分析などが始まります。
こういった例は、私が知る限り決して珍しくはなく、常態化している企業では未だにDX推進のボトルネックとなっています。
こういった現状を打破するには、非常に多彩なスキルやノウハウが求められ、その膨大かつ底知れない要求内容を前にしてしまうと、外部に頼りたくなる理由も十分理解できます。
ただ、そのままでは、これからの時代を踏破するための事業・組織力を培うことは難しく、なんとかしてこの現状を打破し、変革を支援していきたい、という想いで日々実務に邁進しています。
そんな想いも含めて、本連載ではDXの実務に関してさまざまな観点から考察を深めています。
よろしければぜひ御覧ください。
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