ChatGPTが作ったロジカルシンキングの研修課題+解答例

はじめに

株式会社cross-Xの古嶋です。DX戦略の立案やデータ・AI活用の支援をしています。

今回はChatGPTを活用して、研修課題と解答例を作成する様子をご紹介したいと思います。

ワークショップの場では、講義やファシリテーションの重要性が高いのはもちろんですが、準備に時間を取られる作業の一つに、研修課題及び解答例の作成があるかと思います。

私自身、研修講師を担当させて頂くことがしばしばあり、その度に研修課題を準備するのですが、その作成や改良にかなりの時間を取られてしまいます。

実際の研修は“ナマモノ”なので、その場での空気感や議論の中身、講師のトークやファシリテーションが何よりも重要です。

一方、それらがしっかりと機能するには、題材となる研修課題及びその解答例がしっかりしていないと、受講する方々の中に講義への“納得感”は生まれづらいですよね。

例えばロジカルシンキングやマーケティング研修で、架空のデータもしくは実例を用いたケーススタディを題材としながら、論理的思考やマーケティングのエッセンスを伝える際、研修課題や解答例が不十分な内容であれば、決して良い講義にはならないでしょう。

しかし、この研修課題と解答例を作成することが、非常に骨の折れる作業となります。

何とかして、この作業を楽にできないものか?と思い立ち、ChatGPTに作業をさせてみたところ、かなり良い研修課題及び解答例が作成できることが分かりました。

年始から試みていた取り組みですが、GPT-4にバージョンアップして以降、質が飛躍的に向上した実感を持っています。

この点、「研修課題そのものをChatGPTに作らせる」という趣旨の記事を私自身は見かけたことがないため、もしかしたら誰かの役に立つかと思い、本記事を作成した次第です。

本記事では、多くの企業で実施されている「ロジカルシンキング」をテーマとした研修課題と解答例について、ChatGPTに作成させる様子をご紹介していきます。

注文の多い依頼でも、1分足らずで作成完了

まずは以下のように、研修課題の作成を指示しました。「新卒社員の育成担当」という立場から、研修課題を作成する「条件」を明示し、さらに解答例も「条件」通りに作成するよう指示しています。いわゆるプロンプトエンジニアリング+In Context Learningの手法ですね。

かなり注文の多い依頼だと自覚しつつ、入力してみると以下の通り、かなり充実した出力が表示されました。

…スマートペットボトルという商品が何なのかは想像もつきませんが、ロジカルシンキングの研修課題として、叩き台としてはもうこれで十分なのではないか、と思ってしまいそうです。

あとはこちらで巻き取って多少工夫すれば、十分使える研修課題と解答例になりそうです。

ですが、せっかくなのでさらに注文をつけてみましょう。

依頼しづらい/されたくない要望にも、即座に対応

既に設計済みの問題に対して、以下のように、例えば「表の行列を入れ替える」「他のデータを追加する」「定性情報も追加する」といった指示を加えています。

普通、このような依頼をされると、設計担当者としてはたまったものではないですね。条件を追加すると、問題設計も解答例も、作り直す部分がかなり出てくると思います。依頼する側も、人間が相手だと、このような修正依頼はしづらいですよね。

しかし、相手はAIです。容赦なく依頼してみました。

すると、以下のような出力がすぐに出てきました。指摘事項がしっかりと反映されています。

研修課題の叩き台としてはかなり良いものになりました。

ここまでの内容を人手を使って作っていると、いったい何営業日かかってしまうのでしょうか?かなり生産性が上がる活用例だと思います。

さて、相手はAIなので疲れ知らずです。ここでさらに要求してみましょう。

解答例の「根拠」を聞くと、即座に回答

ここで、解答例として挙げられた内容の「根拠」をしっかり説明してもらいます。

すると、以下のように解答の根拠が示されました。これも叩き台としては十分使えるレベルの内容かと思います。

通常、このような研修課題及び解答例の作成は、研修課題と解答例の双方を同時に加筆修正しながらブラッシュアップしていくため、非常に手間がかかります。

また、条件を追加したり減らしたりすると、解答例や他の条件に影響するため、内容の完成度が高まるほど加筆修正がしづらくなり、相当骨が折れる作業となります。

作成がある程度進んだ後、問題設計上の致命的なミスを見つけてしまうと、ほぼ最初から作り直し、ということすらあります。研修課題を作成することは、非常に大変な作業です。

そのため、研修課題は多くの場合「使い回し」の問題が使用されることが多いと思います。

しかし、やはりさまざまなテーマを取り扱って、幅広いスキルアップに資するコンテンツを準備することが、育成の観点からすると重要でしょう。

この点、ChatGPTを活用した叩き台の作成は、多くの方々の業務を効率化させてくれるのではないでしょうか?少なくとも、私には劇的な業務効率化をもたらしています。

おわりに

今回はChatGPTを活用した研修課題及び解答例の作成についてご紹介しました。想像以上に出力内容の質が高く、こういったクリエイティビティを求められる創作作業にもChatGPTが貢献してくれることは非常にありがたいですね。

他にも色々なテーマで、より入り組んだ研修課題作成をChatGPTで行っていますが、かなり良い精度で出力されます。

一方、入り組んだ課題を作ろうとするほど、プロンプトの設計や工夫を細かく行い、期待通りの出力が出るようにトライ&エラーを行うことになりがちです。

ただ、その労力を鑑みても、自力でイチから作る労力に比べれば比較にならないほど業務が軽減されていると思います。

アイデア次第で色々な用途が発見できるのが、ChatGPTの面白いところですね。

また、やや踏み込んだChatGPTの活用方法についても、別の記事で紹介しているのでよろしければご覧ください。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。皆さまの実務において、何かしらのヒントになれば幸いです。