DXにおける「KPIの実務」で、結局大事な2つのこと

ダイヤモンド・オンラインで連載第6回目が公開されました

全10回の連載、いよいよ後半戦ですが、まだまだ続きます。

今回のテーマは「DXの実務とKPI」についてです。

KPI設計と運用は、私自身キャリアを通じてかなり深く関わってきました。

コンサル会社ではクライアント企業のKPI設計、事業会社では自分たち自身のKPI設計と運用、という形で関わってましたが、どちらかというと、やはり後者の方が大変でした。

KPIに関する論考は書籍やメディアで多数紹介されていて、ここで改めて語るようなことはないかなと思いつつも、経験上、結局これに尽きるかなぁということを備忘までに書いておきたいと思います。

仕事は何でもそうだと思いますが、その目標や業務内容について、「管理が可能かどうか」が全てなんじゃないかなと思います。

逆の言い方をすれば、「不確実な要素をどれだけ取り除けるか」ですね。

運任せのようなKPI設計になっている状態って、結構多いと思います。

それだと、担当者がどれだけ頑張っても成果が出るかどうか分かりませんし、目標未達になると経営と現場の間に不和が生まれやすい。

経営からすると、「ちゃんと仕事してんのか」ですし、現場からすると、「だから前から無理って言ってたじゃん」みたいな状態ですね。

もう一つ、そのKPIを達成したら「誰が嬉しいのか?」という点は、チームのモチベーションにめちゃくちゃ影響すると思います。

目標を達成して嬉しいのが経営層だけだと、現場では「働かされている」という不満が蔓延します。

そしてそのしわ寄せは、時間の経過とともに事業責任者にやってきます。それが結局は、決算説明の場にも大きく影響します。

この点、キャリアの多様化がスタンダードになってきている世の中では、ただやらされているだけで成長を感じられない業務は益々魅力を失っていくと思います。

担当するKPIによって、おおよそやるべきことは決まってしまいます。

つまり、KPIは各担当者のキャリアを決めてしまうほどの影響力を持った経営指標だということかなと思います。

昨今、リスキリングが話題となっていますが、このKPIをめぐる業務推進は、仕事のノウハウが集約された活動だと思います。

特に、DXの実務ではデータ起点で細かなKPIを高速でPDCAを回す活動が行われるため、従来型の業務よりも高いレベルでのKPI管理が求められてしまいます。

私自身、DXの領域でKPI設計を実際に行って事業・組織管理するなかで、たくさんの経験や学びを得られました。

普段の業務を見直すきっかけもたくさんありました。

失敗するパターンも、そこから挽回する方法も身を以て経験しました。

・・・さて、前置きが長くなりましたが、このような記事を出しておいてこんなことを言うのも変ですが、KPIに関しては「経験から学ぶ」が最良の方法だと思います。

いろいろな書籍、媒体などに情報が溢れている中、それらにザザッと目を通したなら、まずは「やってみる」ことが一番かなと思います。

公開されている情報ではカバーしきれないことが、KPIの設計と運用には現れてきます。

逆に、経験してしまえば相当大きな「強み」になるんじゃないかな、と思います。

皆さんの「やってみる」の一助に、少しでもなれれば幸いです。

宜しければご覧ください。